潜伏期間
・潜伏期間は、1~14日(中央値は5.1)で,確定した患者のうち97.5%が11.5日(8.2~15.6)以内に発症したと報告。
・ウイルスの排出は、発症する2~3日前より始まり、発症直後に感染力が最も強く、発症後8日で感染力は大幅に低下。
鼻咽頭には症候性患者と無症状感染者とでは同等のウイルス量が認めらる。
症 状
・発熱、乾性咳嗽、頭痛、筋肉痛、悪心(嘔吐なし)が比較的多くみられる症状で、強い嗅覚・味覚障害、倦怠感、下痢
・呼吸困難を認める場合は、ウイルス性肺炎を発症しているものと推測されるが、発症平均8日後に出現することが多い
・さらに、急性呼吸性窮迫症候群(ARDS)や敗血症性ショックなどを合併して多臓器不全に至ることがある。この場合、人工呼吸器やECMOなど高度医療へと移送しなければ、数時間で死亡する。
病 原 性
・81%が軽症であったが、14%が重症化しており、5%が生命の危機に陥ったとしている。致命率は全体の2.3%。
・50歳を超えると加齢とともに致命率が上昇する
・致死率 50台1.3% 60台3.6% 70台8% 80以上14.8%
・確定診断された小児(18歳以下)2,141例の臨床プロファイルによると、55%が無症状もしくは軽症であり、39%が肺炎を認める中等症とされ、5%が低酸素の所見を認める重症に至ったが、生命を脅かす臓器不全に陥ったのは1%未満。
血液検査
・血算(リンパ球↓↓、血小板↓)、生化学検査(AST、ALT、LDH、CPKは↑のことも)
・フェリチン↑、CRP↑
・敗血症のマーカーであるプロカルシトニンは上昇しない。
重症化を疑う指標
血液検査 | |
---|---|
リンパ球数 | 減少 <800/μl |
CRP | 著明上昇 |
心トロポニン | 上昇 |
D-dimer 増加 | 21μg/ml< |
IL-6 | 上昇 10pg/ml< |
ミオグロブリン | 上昇 |
C T:重症化の所見はcrazy paving appearance(網目状パターン)、 Consolidationと呼ばれる硬化像 |
- 臨床所見
•呼吸数 | 24/min≦ |
---|---|
•SpO₂ | ≦93% |
•SOFAスコア | 4<SOFA |
新型コロナウイルスの検査法
RT-PCR法 各地の衛生研究所で行われているウイルス遺伝子検査
検体処理の時間を含め5~6時間ほどかかる。
3月6日より保険適応となり、一部民間検査会社で検査可能となった。
新しいキットでは検査時間短縮が可能(検体処理法の改善など)。LAMP法 25分程度で検出可。
https://www.youtube.com/watch?v=L5zi2P4lggw (youtube動画)スマートアンプ法 プライマーやポリメラーゼの工夫で増幅反応が格段に早い。
https://www.youtube.com/watch?v=KqBGz4Lz2-A (youtube動画)抗体検査 :感染既往などを確認する、IgG IgMの血液検査。 迅速簡易検出法 イムノクロマト法などにより血中抗SARS-CoV-2(COVID-19)抗体を検出。
あるキットでは以下の検出率12とされる。
陽性率:発症7~8日で IgM抗体検出率10.0%、IgG抗体検出率25.0%
発症9~12日後 IgM抗体検出率 4.8%、IgG抗体検出率52.4%
発症13日後以降 IgM抗体検出率59.4%、IgG抗体検出率96.9%
6日後までの血清と発症13日以降の血清のペア血清を調べる
カゼとの比較
治療薬の現状