症状・疾患について
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耳の疾患について
急性低音障害型感音難聴
症状
ある日、ある時間帯に急に、耳のつまり感、音が響く感じ、耳がぼーとするなどの症状がおこります。軽いめまいがおこることもあります。(片方の耳のことが多いです)
原因
女性に多く見られます。病因は不明ですが、内リンパ水腫が想定されています。精神的、肉体的ストレスや睡眠不足、感冒、過労などが誘因になると考えられています。
検査
聴力検査では、低音域3周波数(125.250.500)の難聴を認めます。中音、高音域は聞こえているので、難聴ではなく、多くの方は「つまり感、ひびく感」などを自覚します。
治療
比較的聴力が改善に向かいやすい病気です。利尿剤(リンパ水腫を改善するため)やビタミン剤、血液循環改善剤、漢方薬など副作用の少ない薬を処方をします。難治例や難聴の程度が高度の場合は、ステロイド剤を使用する事もあります。
日常では、規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動(ウオーキングなど)精神的ストレスの回避が大切です。
注意事項
発症してしばらく、日により低音域の聴力が変動する事があります。
そのため受診した日に聴力検査で低音域が正常で左右差がなければ確定できず、数度の聴力検査で診断できることもあります。
症状の変動のある方は、症状がある日の受診をおすすめします。
良くなっても、再発することがあります。 メニエール病へ移行する場合もあります。
突発性難聴との違い
突発性難聴もある日急に発症する感音難聴です。最初から難聴を自覚することが多く、治療はステロイドの投与が標準となっています。難聴が治癒する割合は低くなります。難聴の改善、悪化の繰り返しはありません。軽度な突発性難聴と急性低音障害型感音難聴は診断基準が重なる場合があります。
口腔・咽頭・喉頭の疾患について
咽頭炎・扁桃炎・喉頭炎
初期症状
初期は、のどの違和感、イガイガ感、痛み、発熱、頭痛などカゼの症状です。ウイルス性と細菌性の原因があります。のどの痛みの程度は、軽い違和感程度からひどい痛みまであります。
原因・治療
ウイルスや細菌などの感染により咽頭、口蓋扁桃、喉頭が炎症を起こします。 ウイルスでは対症療法、細菌感染の場合は抗生剤を使用します。 溶連菌の場合は抗生剤(主にペニシリン系)を一定期間の内服をします。(若年者ではEBウイルスやアデノウイルスが原因の扁桃炎もあります。)
疾患
・急性咽頭炎:咽頭後壁(うしろの壁)が発赤し、濾胞状の粒や、口蓋扁桃の境目(咽頭側索)が白っぽく見えることがある。
・急性扁桃炎:口蓋扁桃の発赤、腫大、口蓋扁桃の白斑(白苔)、頸部のグリグリ等。
・急性喉頭炎:ウィルス、細菌、アレルギー、喫煙などで喉頭に炎症を起こします。声のかすれ、ヒリヒリ、イガイガ、乾いた咳など
注意事項
急にのどの痛みが悪化して、水しか飲めない、食事ができない、含み声になる、頸部のリンパが腫れて痛いなどがあれば、扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎の可能性もあります。
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍
概要
扁桃周囲炎は急性扁桃炎に続いておこり、炎症が口蓋扁桃の外まで拡がった状態の細菌感染です。扁桃周囲膿瘍は口蓋扁桃の奥にさらに膿が貯まった状態です。
症状
ノドの片側が強く痛む、痛くて食事が出来ない・水しか飲めない(水も飲めない)・くぐもり声でしゃべりにくい・ 頸部が腫れている・発熱等の症状が出ます。のどの奥下方に炎症が進むと気道の閉塞症状を起こし危険です。
所見
膿瘍になると、扁桃の発赤と腫れに加えて、(大抵片側の)扁桃の外側が膨隆して、口蓋垂の偏位が見られます。
治療
扁桃周囲膿瘍になってしまい、高熱や、痛みと腫れで食事をとりづらい時や、点滴や膿瘍の穿刺切開などの処置を要して、入院治療が必要になります。腫脹が喉頭にまで伸展すると気道閉塞の可能性があるので、即時入院治療が必要となります。
急性喉頭蓋炎
概要
声門の上にある蓋のよう構造を喉頭蓋と呼びます。喉頭蓋が細菌感染により炎症を起こした状態を急性喉頭蓋炎と言います。
症状
強い咽頭痛、嚥下痛、発熱、などがおこります。喉頭蓋の腫れが進むと気道が狭くなります。嚥下も難しくなり、急速に進むと、気道が閉塞して窒息の危険があります。
所見
口を開けてノドを見ても、咽頭、扁桃は正常範囲か、軽度の炎症程度のことがある。喉頭(のどの奥)を間接喉頭鏡か内視鏡で観察して喉頭蓋の腫脹を確認しないと診断は出来ません。
治療
軽症以外、急性喉頭蓋炎の場合は、入院治療が必要になります。また息がしにくい場合は至急に入院治療ができる総合病院への受診が必要です。