急に悪化して、食事を摂れないほどの強い痛みをのどに感じる方へ
  • 咽頭(のど)の痛みが悪化している方で当院へ受診希望の方は,平日,午前早めの受診(当院でなくてかまいません)をおすすめします。
    • 咽頭(のど)の痛みが軽度の方は都合のよい時間帯で大丈夫です
  • 細菌感染により軽い痛みから急に悪化して扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎にまでなると、当日入院が必要になる患者さんがいます。
  • [※急激にのどの痛みが強くなる※声がくぐもり(含み声)しゃべりにくい※固形物が飲み込めない※水しか飲めない]などの症状があれば、仕事終わりまで待たずに、受診をお薦めします。軽症例を除いて入院治療が出来る病院を紹介しています。
    それらの症状に加えて急性喉頭蓋炎では、腫れが進み[気道が狭くなると]息苦しくなり窒息のリスクがあります。高度の入院医療が出来る耳鼻咽喉科への受診が必要です。
  • 扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎で入院が必要な場合、平日の午後や土曜日では入院可能な紹介先を探すのに困ります。

咽頭炎・扁桃炎・喉頭炎

初期症状

初期は、のどの違和感、イガイガ感、痛み、発熱、頭痛などカゼの症状です。ウイルス性と細菌性の原因があります。のどの痛みの程度は、軽い違和感程度からひどい痛みまであります。


原因・治療

ウイルスや細菌などの感染により咽頭、口蓋扁桃、喉頭が炎症を起こします。 ウイルスでは対症療法、細菌感染の場合は抗生剤を使用します。 溶連菌の場合は抗生剤(主にペニシリン系)を一定期間の内服をします。(若年者ではEBウイルスやアデノウイルスが原因の扁桃炎もあります。)


疾患

・急性咽頭炎:咽頭後壁(うしろの壁)が発赤し、濾胞状の粒や、口蓋扁桃の境目(咽頭側索)が白っぽく見えることがある。
・急性扁桃炎:口蓋扁桃の発赤、腫大、口蓋扁桃の白斑(白苔)、頸部のグリグリ等。
・急性喉頭炎:ウィルス、細菌、アレルギー、喫煙などで喉頭に炎症を起こします。声のかすれ、ヒリヒリ、イガイガ、乾いた咳など


注意事項

・急にのどの痛みが悪化して、水しか飲めない、食事ができない、含み声になる、頸部のリンパが腫れて痛いなどがあれば、扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎の可能性もあります。

扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍

概要

扁桃周囲炎は急性扁桃炎に続いておこり、炎症が口蓋扁桃の外まで拡がった状態の細菌感染です。扁桃周囲膿瘍は口蓋扁桃の奥にさらに膿が貯まった状態です。


症状

ノドの片側が強く痛む、痛くて食事が出来ない・水しか飲めない(水も飲めない)・くぐもり声でしゃべりにくい・ 頸部が腫れている・発熱等の症状が出ます。のどの奥下方に炎症が進むと気道の閉塞症状を起こし危険です。 


所見

膿瘍になると、扁桃の発赤と腫れに加えて、(大抵片側の)扁桃の外側が膨隆して、口蓋垂の偏位が見られる。


治療

扁桃周囲膿瘍になってしまい、高熱や、痛みと腫れで食事をとりづらい時や、点滴や膿瘍の穿刺切開などの処置を要して、入院治療が必要になります。腫脹が喉頭にまで伸展すると気道閉塞の可能性があるので、即時入院治療が必要となります。

急性喉頭蓋炎

概要

声門の上にある蓋のよう構造を喉頭蓋と呼びます。喉頭蓋が細菌感染により炎症を起こした状態を急性喉頭蓋炎と言います。


症状

強い咽頭痛、嚥下痛、発熱、などがおこります。喉頭蓋の腫れが進むと気道が狭くなります。嚥下も難しくなり、急速に進むと、気道が閉塞して窒息の危険があります。 


所見

口を開けてノドを見ても、咽頭、扁桃は正常範囲か、軽度の炎症程度のことがある。喉頭(のどの奥)を間接喉頭鏡か内視鏡で観察して喉頭蓋の腫脹を確認しないと診断は出来ません。


治療

軽症以外、急性喉頭蓋炎の場合は、入院治療が必要になります。また息がしにくい場合は至急に入院治療ができる総合病院への受診が必要です。