病気の説明

耳の病気について


概要・症状

  • 耳管が開いた状態で、音声と空気が交通するようになり、自分の声がひびく、呼吸音が聞こえる、耳がつまる、こもる、低い音が聞き取りにくいなどの症状を起こします。
  • 頭を下げたり、横になっていると、一時的に症状が和らぎます。

原因・診断 

  • きっかけ、原因として、ダイエット、体重が減ったとき、運動、脱水気味、ホルモンバランスの変化、経口避妊薬、妊娠等々があります。
  • 若年の女性に多く、男女とも高齢になると開放症になりやすい傾向があります。
  • 診察時、顕微鏡下で呼吸と共に鼓膜が動くと診断は確定です。頭を下げて症状が軽快する場合は、開放症が疑われます。多くの場合、診察時には、聴力検査、鼓膜所見など正常です。


治療 

  • 体重減少の場合は、増加を図る、妊娠の場合は様子を見る、脱水の場合は、暑い日の運動を避ける、水分補給を心がける。
  • 漢方薬が有効の場合があります(加味帰脾湯)。生理食塩液を点鼻すると一時的に効果があります。


 症状 

  • ある日、ある時間帯に急に、耳のつまり感、音が響く感じ、耳がぼーとするなどの症状がおこります。軽いめまいがおこることもあります。(片方の耳のことが多いです)

 原因 

  • 女性に多く見られます。病因は不明ですが、内リンパ水腫が想定されています。精神的、肉体的ストレスや睡眠不足、感冒、過労などが誘因になると考えられています。 

 検査 

  • 聴力検査では、低音域3周波数(125.250.500)の難聴を認めます。中音、高音域は聞こえているので、難聴ではなく、多くの方は「つまり感、ひびく感」などを自覚します。

 治療 

  • 比較的聴力が改善に向かいやすい病気です。利尿剤(リンパ水腫を改善するため)やビタミン剤、血液循環改善剤、漢方薬など副作用の少ない薬を処方をします。難治例や難聴の程度が高度の場合は、ステロイド剤を使用する事もあります。   
  • 日常では、規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動(ウオーキングなど)精神的ストレスの回避が大切です。

注意事項

  • 発症してしばらく、日により低音域の聴力が変動する事があります。
  • そのため受診した日に聴力検査で低音域が正常で左右差がなければ確定できず、数度の聴力検査で診断できることもあります。
  • 症状の変動のある方は、症状がある日の受診をおすすめします。
  • 良くなっても、再発することがあります。 メニエール病へ移行する場合もあります。

突発性難聴との違い

  • 突発性難聴もある日急に発症する感音難聴です。最初から難聴を自覚することが多く、治療はステロイドの投与が標準となっています。難聴が治癒する割合は低くなります。難聴の改善、悪化の繰り返しはありません。
  • 軽度な突発性難聴と急性低音障害型感音難聴は診断基準が重なる場合があります。

 症状 

  • ある日突然、片方の耳が聞こえにくくなる病気です。耳鳴やめまい、吐き気などを伴うことがあります。両耳同時に起こることは、まずありません。

 原因 

循環障害説、ウイルス説などがありますが、原因は不明または不確実なことと定義されています。


 検査 

聴力検査で難聴が認められます。


 治療 

  • 早期の治療が望ましく(2週間以内)それ以上だと治療効果が少なくなります。当院では内服のステロイド、血流改善剤、ビタミン剤等で治療を行います。
  • 高度の場合は入院治療が出来る施設に紹介いたします。治療の効果がなく難聴が治癒しない方が一定の割合おられます。

注意事項

  • ステロイド使用に当たっては、糖尿病の有無やHBs抗原の検査をして、該当の方は、専門医いる病院へ紹介いたします。

概要

  • 中耳腔に滲出液という液体がたまる病気です。耳痛、発熱はありません。3~5歳で頻度が高く、7~8歳で治癒の傾向を示し、10歳までに多くがよくなります。子どもの難聴の原因では一番多いものです。滲出性中耳炎になりやすい時期は、急性中耳炎になる時期と重なっています。

経過 

  • 急性中耳炎がきっかけで起こることが多いとされています。中耳の粘膜の炎症と耳管の働きの低下があると、粘膜からしみ出た液がたまりやすくなります。
  • カゼの繰り返しなど鼻(副鼻腔炎)や、のど(上咽頭)に炎症があったり、アデノイドが大きい場合などでは、耳管の働きが悪くなり、中耳の粘膜が障害されて、溜まった中耳腔の液を、排出できにくくなります。 
  • カゼをひかなくても、鼻をすする癖が日常的にあると、なりやすくなります。むやみに鼻をすすらないことが、中耳炎の再発と悪化の予防になります。


治療 

  • 軽症から、中等症、難治性まであります。年齢によっても、治り方が違います。難治性の場合は、年単位の治療を要する事もあります。中耳にたまっている滲出液をなくして聞こえをよくするための治療と、耳に悪い影響を与えている鼻やのどの病気に対する治療とを並行して行います。
  • 上気道炎症状などが目立たない場合は3ヶ月以内に良くなることも多いので、特に処置を行わずに鼓膜の状態を観察することもあります。
  • 難治性の場合、鼓膜切開をしても、再度液が溜まり、たびたび滲出性中耳炎をくり返す場合、数ヶ月以上中耳腔の液が溜まり聞こえが悪い場合、鼓膜の変化がある場合等、鼓膜にチューブを入れる手術がよく行われます。同時に、アデノイドの手術をする事もあります。


概要・症状

  • 急性中耳炎はこどもに多い病気です。特に3歳以下の乳幼児に多い傾向があります。多くは‘カゼ‘の経過中、中耳に、咽頭(のど)の細菌やウイルスが入り、急性の炎症を起こします。鼓膜が赤くなったり、膿がたまり、腫れたりします。カゼと前後して起こることが多い疾患です。
  • 耳が痛い、発熱、耳の違和感、耳閉感、耳漏(みみだれ)、難聴などの症状が出ます。乳幼児は、機嫌が悪くなる、ぐずる、耳をさわるなどの行動や態度を示すことがあります。

経過・治癒しにくい環境

  • カゼにかかりやすい環境(集団保育)で、カゼを繰り返すと、中耳炎になりやすく、また中耳炎が反復して、難治化するきっかけになることがあります。一般に、中耳炎は低年齢ほど(0歳~2歳児)、かかりやすく、再発して治りにくい傾向があります。
  • 中耳炎を繰り返しておこすかどうかは、主に子供さんの体質(抵抗力)や生活環境、薬の効きにくい耐性菌などに影響されます。
  • 3歳を過ぎる頃から、免疫力が強くなってくると同時に、耳管の機能も発達してくると、急性中耳炎にかかりにくくなってきます。 


治療 

  • 軽症の場合は抗生物質や消炎剤等で治療します。抗生物質は使用せず、様子をみることもあります。中等症以上で、膿がたまって鼓膜の腫れがひどく、痛みが強いときや、熱が高いときは鼓膜を少しだけ切る事があります。家庭でも鼻汁を吸引するなど鼻の処置も大切です。急性中耳炎を、くり返す場合(反復性中耳炎、難治性中耳炎といいます)には、何回も鼓膜切開が行われることもあります。
  • 反復性・難治性の中耳炎には、鼓膜のチューブ留置という手術が選択枝となることもあります。

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  • 症状としては自分か周囲が回る、周囲の景色が流れる、周囲の揺れや左右の揺れ、ふらふら(ふわふわ)感などがあります。
  • 耳以外が原因としては脳の病気(脳梗塞など)、心血管疾患(不整脈など)、全身疾患(貧血など)、自律神経失調等々があります。
  • 耳が原因となる代表例はの以下の様な疾患です。

良性発作性頭位めまい症

メニエール病

前庭神経炎

めまいを伴う突発性難聴

急性低音障害型感音難聴

他にも種々あり

聴力検査と眼振検査を行います。眼振検査(目の動きを見る検査)は赤外線CCDカメラで録画して患者さんに供覧しています。初診時の検査には時間がかかるため、最終受付時間の30分以前の受診をお願いしています。

良性発作性頭位めまい症

概要・原因

  • 内耳にある耳石が三半規管に入ることが原因です。
  • ”回るめまい”では最も頻度が多いとされています。

症状

  • 寝返りや、寝たり起きたり、上を向いたり、振り向いたり、急に頭の位置が変わると、めまいが起こり、数十秒程度でおさまります。
  • 同じような動きかたをすると、めまいが繰り返しおこります。

検査・診断

  • CCDカメラで目の動きを観察して診断します。難聴の有無を知るために聴力検査をします。

治療 

  • 運動療法が有効なことがあります。対症療法として内服薬(抗めまい薬、循環改善薬、吐き気止めなど)を処方します。
  • 症状は、数日から1ヶ月程度で減弱してなくなる事が多いです。

メニエール病

概要・原因

  • 不明ですが内リンパ水腫の存在があります。
  • 女性に多いとされています。
  • 疲労、睡眠不足、心身のストレスなどが発症の背景として考えられています。

症状

  • 急に10分から数時間程度のめまいがおこります。めまいは不定期に繰り返します。同時期に難聴、耳鳴、耳閉感がおこります。めまいが治まると、耳の症状も治まりますが、繰り返すと難聴が進行するともあります。

検査・診断

  • 聴力検査、めまいの検査(CCDカメラで眼振をみる検査など)、平衡機能検査などをします。

治療 

  • 抗めまい薬、利尿剤、ビタミン剤、血行改善剤、漢方薬などの薬物療法を行います。
  • 水分を多めに摂取する。ストレス改善、過労を避ける、睡眠不足の改善なども大事なことです。

鼻の病気について

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急性鼻炎

概要

  • 急性鼻炎の大部分は風邪のウイルスによって起こります。小児は特にかかりやすい病気です。
  • このウイルス感染に細菌性感染が加わって、鼻水を粘稠にしたり、黄色にしたりします。

症状

  • 鼻の乾燥感、鼻汁、くしゃみ、鼻閉などがおこります。鼻汁は水性から膿性へ変わることもあります。

治療 

  • 対症療法が主となります。(感冒薬など)安静、睡眠を十分に取り、水分をとるなどして自然に良くなる疾患です。
  • 上手に鼻をかめない年齢の子どもさんには、保護者の方が鼻汁を吸引してあげるのが大事です。

薬剤性鼻炎

概要

  • 血管収縮剤配合の市販の点鼻薬の使い過ぎにより起こります。
  • 市販の点鼻薬は、効果はありますが、長期に連用すると、慢性的に粘膜の肥厚がおこり、鼻閉状態が続きます。

症状

  • 鼻閉が主症状です。

治療 

  • 血管収縮剤入りの点鼻薬をなるべく早く中止して離脱することが肝要です。
  • 抗アレルギー剤(鼻閉を改善するタイプ)と点鼻薬(ステロイド点鼻薬が主体で連用可能)に切り替えていきます。


概要・症状

  • 鼻ポリープとは、鼻粘膜や副鼻腔粘膜の一部が成長してでき、鼻茸(はなたけ)とも呼ばれます。
  • 副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎に伴い鼻ポリープは多く認められます。
    鼻ポリープがあると副鼻腔と鼻腔がつながっている部分の通りが悪くなることによって副鼻腔炎の治癒を妨げることもあります。
  • 鼻ポリープができると、鼻づまりや鼻水、嗅覚障害、頭痛などの症状をおこします。

検査

  • 鼻鏡や、内視鏡検査、画像検査を行います。

治療 

  • 鼻茸が小さく、炎症が高度でなければ、薬物療法である程度良くなる可能性もあります。
  • 内視鏡手術を行って、炎症を起こしている粘膜とともに鼻ポリープを取り除きます。

急性副鼻腔炎

概要

  • 風邪などで、ウイルスや細菌が鼻腔に感染して炎症を起こし、それが副鼻腔にまで及ぶことで起こります。

症状

  • 膿性鼻汁や鼻汁が後方に落ちたり、鼻閉、発熱や、頭痛や顔面痛などの症状を伴います。

検査・診断

  • 鼻鏡で鼻腔内を観察して、鼻汁の性状、鼻茸の有無、粘膜のチェックをします。また内視鏡では、後鼻漏や副鼻腔からの出口を観察します。
  • 症状によっては、画像で(CTなど)副鼻腔をチェックします。虫歯が原因の事もあります。

治療 

  • 抗生剤や気道粘液調整・粘膜正常化剤(カルボシステイン)などを使用します。症状が長引いたり、繰り返したりして2~3ヶ月以上続くものを慢性副鼻腔炎と言います。
  • 慢性の副鼻腔炎の場合は、マクロライド系の抗生物質を少量、2~3ヶ月投与する治療法が有効です。

嗅覚障害

概要・原因

  • 鼻の天井部分にはにおいを感じるセンサーである嗅上皮があります。
  • 原因として、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻茸、急性鼻炎、感冒後(カゼのウイルス)、頭部打撲後、神経性疾患などで起こります。鼻閉によりニオイの分子が届かなかったり、嗅細胞の障害または粘膜の炎症などで起こります。鼻閉による嗅覚障害は鼻閉が改善されればよくなります。また嗅覚は60歳ころから加齢と共に低下します。

経過

  • ウイルスにより嗅神経細胞の障害を起こすと高度の嗅覚障害になります。頭部打撲後の外傷性では嗅神経の障害が起こり難治性です。

検査・診断

  • 鼻鏡や内視鏡検査や、症状により画像検査などを行います。

治療 

  • 原因となる疾患の治療をします。粘膜の炎症や副鼻腔炎による嗅覚障害は、ステロイドの点鼻療法も併用します。
  • かぜによる(コロナを含む)嗅覚障害などで、難治性の場合は漢方薬の当帰芍薬散の内服や、嗅覚刺激療法をおすすめしています。

においがしない 違うにおいがする

口腔・咽頭・喉頭の病気について


初期症状

  • 初期は、のどの違和感、イガイガ感、痛み、発熱、頭痛などカゼの症状です。
  • ウイルス性と細菌性の原因があります。のどの痛みの程度は、軽い違和感程度からひどい痛みまであります。

原因・治療

  • ウイルスや細菌などの感染により咽頭、口蓋扁桃、喉頭が炎症を起こします。 ウイルスでは対症療法、細菌感染の場合は抗生剤を使用します。 溶連菌の場合は抗生剤(主にペニシリン系)を一定期間の内服をします。
  • (若年者ではEBウイルスやアデノウイルスが原因の扁桃炎もあります。)

 疾患 

  • 急性咽頭炎:咽頭後壁(うしろの壁)が発赤し、濾胞状の粒や、口蓋扁桃の境目(咽頭側索)が白っぽく見えることがある。
  • 急性扁桃炎:口蓋扁桃の発赤、腫大、口蓋扁桃の白斑(白苔)、頸部のグリグリ等。
  • 急性喉頭炎:ウィルス、細菌、アレルギー、喫煙などで喉頭に炎症を起こします。声のかすれ、ヒリヒリ、イガイガ、乾いた咳など

注意事項

  • 急にのどの痛みが悪化して、水しか飲めない、食事ができない、含み声になる、頸部のリンパが腫れて痛いなどがあれば、扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎の可能性もあります。

 概要 

  • 扁桃周囲炎は急性扁桃炎に続いておこり、炎症が口蓋扁桃の外まで拡がった状態の細菌感染です。
  • 扁桃周囲膿瘍は口蓋扁桃の奥にさらに膿が貯まった状態です。

 症状 

  • ノドの片側が強く痛む、痛くて食事が出来ない・水しか飲めない(水も飲めない)・くぐもり声でしゃべりにくい・ 頸部が腫れている・発熱等の症状が出ます。
  • のどの奥下方に炎症が進むと気道の閉塞症状を起こし危険です。  

 所見 

  • 膿瘍になると、扁桃の発赤と腫れに加えて、(大抵片側の)扁桃の外側が膨隆して、口蓋垂の偏位が見られます。

 治療 

  • 扁桃周囲膿瘍になってしまい、高熱や、痛みと腫れで食事をとりづらい時や、点滴や膿瘍の穿刺切開などの処置を要して、入院治療が必要になります。
  • 腫脹が喉頭にまで伸展すると気道閉塞の可能性があるので、即時入院治療が必要となります。


 概要 

  • 声門の上にある蓋のよう構造を喉頭蓋と呼びます。喉頭蓋が細菌感染により炎症を起こした状態を急性喉頭蓋炎と言います。

 症状 

  • 強い咽頭痛、嚥下痛、発熱、などがおこります。喉頭蓋の腫れが進むと気道が狭くなります。嚥下も難しくなり、急速に進むと、気道が閉塞して窒息の危険があります。   

 所見 

  • 口を開けてノドを見ても、咽頭、扁桃は正常範囲か、軽度の炎症程度のことがあります。
  • 喉頭(のどの奥)を間接喉頭鏡か内視鏡で観察して喉頭蓋の腫脹を確認しないと診断は出来ません。

 治療 

  • 軽症以外、急性喉頭蓋炎の場合は、入院治療が必要になります。
  • 息がしにくい場合は至急に入院治療ができる総合病院への受診が必要です。

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頸部・顔面の病気について

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